北村 英治 (クラリネット)

北村 英治 敗戦の焦土と化した日本の空に、ラジオからジャズがスイングした。
 クラリネットを手にした青年は、以来60年強、日本のジャズ史に偉大な足跡を残し続けている。

 1929年東京に生まれる。
 慶応モダンボ-イ時代にクラリネットを学び、1951年、南部三郎クインテットでデビュー、1954年自己のバンドを結成。
 1957年文化使節として来日したベニー・グッドマンとジャムセッション。バディー・デフランコや、リー・コニッツ、そしてジャズ伝統のデキシー、と幅広く研究する。
 1977年より、モンタレー・ジャズフェスティバルの常連となり、また世界各国のジャズ祭で活躍する。
 1991~2000年、L.A.インターナショナル・ジャズパーティをビル・ベイリーと共同で企画し、「ジャズ・クラリネット界の沈滞を救った男・クラリネット出ずる国、日本!(レオナード・フェザー)」と評された。
 テディー・ウイルソン、アール・ハインズ、バディー・デフランコらのジャズ・ジャイアンツとの共演も回を重ね、文字通り、日本が誇る世界の巨匠である。2007年4月旭日小綬章受章。
 底知れぬ深みと暖かさで、聴く人々の心を豊に満たしてくれる。